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再開に向けて

J-LODliveの解説・マニュアル
(2020.09.09更新)

J-LODlive補助金とは、2月1日以降に音楽・演劇・ダンス・芸能等の公演を延期・中止した主催者について、今後国内で公演を実施し、そのダイジェスト映像などを海外に発信した場合の公演制作費用・海外配信費用などの1/2を一定の条件で補助する制度です。
 
J-LODlive補助金申請窓口
公募要項

本ページでは、要項公開を受け、本制度の概要をご説明いたします。補助対象や申請条件については制度上の限界もありますが、先行した音楽系団体やネットワークの政府協議PTにおいて、当初発表後に可能な限り政府に要望し協議を尽くした結果のものです。ネットワークでは、ライブイベントに関わるひとりでも多くの方に、本制度を利用して頂きたいと願っております。なお、下記は一般的なガイダンスであって法的助言ではありません。またネットワーク側の理解も含まれているため、今後訂正・補充版を出させて頂く可能性があります。なお、以下の説明中の(●頁)は、公募要項中のページ数です。下記FAQも合わせてご参照ください。

第1 - 本制度概要

    • ●名称:

      • コンテンツグローバル需要創出促進補助金(J-LODlive補助金)
        • ※既存の「J-LOD補助金」とは別の制度ですのでよくご注意ください(こちらはliveが付きます)。


    • ●対象公演:

      • 音楽・演劇・ダンス・芸能等の日本発の、国内で実施されるライブ公演で、収録動画の一部がYouTubeなどで海外向けに配信されるもの(無観客中継、限定観客開催、一般開催、入場料無料開催を含む)(7~9頁)
        • ※「日本発」とは著作権者、主役、演出家、舞台監督のいずれかが日本国民の場合、又は演者の過半数が日本国民の場合等になります。完全来日物は対象外です(6頁)。

        • ※補助金が出る対象の公演は、国内実施公演のみです。


    • ●補助内容:

      • 公演制作費・動画配信費・感染対策費等の下記「対象経費」の50%上限:1ステージあたり5,000万円)が補助されます(12頁)。

    • ●申請者・申請上限数:

      • 新型コロナウイルスの影響により2020年2月1日~2021年1月31日までに予定していた国内・海外の日本発公演を延期・中止した主催者(法人)が申請可能(6頁)
        • ※延期・中止したステージ数分だけ申請できます(13頁)。この申請できる権利を説明の便宜上「クーポン」と呼びます。

        • ※延期・中止したステージと、新たに行うステージの公演は同じである必要はありません。再演でも、もともと予定していた/新たに企画する別公演にもクーポンは使えます。ただし、キャパ3000人未満の会場の公演を延期・中止した場合、3000人以上の公演の補助を申請する権利はありません(13頁)。

        • ※「日本発」は上記と同じ意味であり、完全来日物を延期・中止した場合はクーポン取得の対象外となります。他方、日本発コンテンツの海外公演を延期・中止した場合はクーポン取得の対象となります。

        • ※申請資格は法人ですが、個人が公演を延期・中止した場合、その個人が代表を務める法人として申請可能です。法人の設立時期の規定はなく、これから法人を設立してもよいと理解されます(6頁)。

        • 共同主催が延期・中止となった場合に誰がクーポンを取得するかは、出資者全員の合意が必要です(6頁)。分け方について規定はありませんが、「申請資格保有合意書」(J-LODliveのHPご参照)には、「申請資格に関する合意の経緯及び理由」という記載欄があり、出資割合が過半数を超える者が全てを取得する、出資割合によってステージを分けあうなど、合理的な説明を求められます。

        • 公演の中止・延期の証明は、会場、プレイガイド、出演者・プロダクションに確認してもらう方法によって行います(書式あり)(34頁)。いまだHP等で公演をすること自体公表をしていない場合、ステージ数まで決まっていない場合などの取扱いや提出書類についての規定はありません。


    • ●補助を受けられる事業:

      • 法令又は公序良俗に反する事業は対象になりません。また、新型コロナウイルス感染症に関する政府、都道府県等の方針・要請等に反しない事業である必要があります(7頁)。
        • ※例えば6~8月などの公演を申請する場合、事実上は無観客配信公演などが対象となる可能性があります。また仮に第2波などにより政府指針ではフルキャパの開催は難しくなった場合、それを無観客中継開催や間引き開催に切り替えて開催することが求められます。いざとなればそう切り替えられる体制を、準備しておくことが重要です。(見方を変えれば、万一そうなっても経費の半分は補助されることを頼りに、今後の企画を進めやすくする制度とも言えます。)


    • ●海外向け発信の方法:

      • 補助金対象事業となるためには、国内で実施した公演の動画を海外に発信する必要があります(9頁)。
        • 最低5分以上の動画がYouTubeなど無料配信プラットフォームに掲載され、海外のいずれかの国で原則1年以上は視聴できることが条件とされています。

        • ※原則として動画の過半数は公演の収録映像を使う必要がありますが、ライセンス契約等のやむを得ない事情があれば、例外が認められます。ただし、全く公演収録映像を入れないものは認められません。


    • ●補助の対象経費:

      • 詳細は要項15~16頁をご参照
        • ①公演を実施する費用と、②公演収録映像を海外に発信する費用が幅広く記載されています。公演を実施するための費用はおおむね対象ですが、例えば演劇では脚本自体を作成する費用、消費税などは対象外とされています。

        • ※原則として交付決定日以降に発注、支払をした費用が対象ですが、真にやむを得ない理由により ①2/1以降に発注した経費、②その公演のために既に契約していた会場費、権利使用料は対象となる場合があります(18頁)。

        • ※申請者自身が支出した経費のみが対象と記載されているので(18頁)、共同主催の場合の支出について事前に確認しておく必要があります。

        • 自前の会場費については、公演対象期間の減価償却、固定資産税相当額のみが対象経費となります(19頁)。

        • 100%子会社、関連会社に対する支払を経費とする場合、利益分を除いた計算をする必要があります(20、21頁)。

        • ※他の公的な補助金、助成金等を二重に受けられることができず、併用する場合には補助、助成を受ける対象費目を明確に分けておく必要があります(22頁)。


    • ●補助額の減額:

      • チケット収入(スポンサーやグッズ収入は含まず)が総経費を超えた分は補助額が減額されます。ただし、①リアルタイム配信をおこなう場合、②1度の動員(キャパシティでなく実動員)が1000人未満の場合、③(①②を除いた)総補助件数が30ステージ以下の申請者については、減額されません(23頁)。

    • ●申請時期(4頁):

      • ・5/27応募開始、応募期限は来年1/29までです。これまでに申請する必要があります。
      • 来年2/28までに事業完了、すなわち、公演、海外配信をし、すべての支払を終え、実績報告書を提出することが必要です。また、来年2/28までに、要項50頁の全ての書類の提出が必要になります。
        原則はチケット収入の確定まで来年2/28に必要です。前記「補助額の減額」が不要な場合は、チケット収入は概算でよいというのが現時点でのネットワークの理解です。

    • ●その他の事項:

      • 海外配信動画に指定のロゴを掲載することが規定されています(10、11頁)
        ・公演後の確定検査において、公認会計士又は税理士による確認が必須とされています(51頁)。
        補助を受けた事業の公表が予定されています(55頁)。

第2 - 本制度の手続き

    • また、J-LODliveの申請手続き及び申請後の流れについて以下に簡単にまとめましたので、要項及びJ-LODlive補助金WEBサイト上に掲載されている指定書式(ワードorエクセル)と共にご確認ください。

    • ▶︎1.初回応募時に事業者登録(26~30頁に詳細)

      • →まずWEB上で事業者登録を行います。
      • 【必要書類】(26頁)

      • ・法人証明書(3カ月以内に発行された登記簿謄本等)
        ・暴力団排除に関する誓約事項(WEB上に指定書式)
        ・過去の公演主催の実績(該当者のみ。書式不問)

    • ▶︎2.申請(31~44頁に詳細)

      • →上記1を済ませた後、WEB上のJ-LODliveシステムにログインした上で行います。
      • 【応募時添付書類】(いずれもWEB上に指定書式あり)

      • ①公演延期等確認書
        • →確認する主体については、以下の団体等による確認で足り、特段資料添付は予定されていません(詳細は34頁及び指定書式エクセルの記入例)。
          ・会場
          ・プレイガイド
          ・出演者、プロダクション等

      • ②実施体制図
        • 社内の各責任者、社外の体制図について記載する必要があります。
          (記入例・注意事項は35頁又は指定書式エクセルの記入例)

      • ③収支計画書
        • 以下の項目について記載し、経費については明細を添付する必要があります(詳細は36、37頁及び指定書式エクセルの記入例を参照)。
        • (記載項目)
          事業者名、公演名、公演開始日、動画配信予定日、事業完了予定日、対象経費、対象外経費、収入

      • ④感染予防対策実施誓約書
        • 申請時には指定書式の誓約書を添付するだけですが、事業完了後の実施報告の際に、講じた感染予防対策の証拠となる動画(入退室時、公演時および休憩時の対策状況等を撮影)を撮影し、当該動画を提出する必要がある点に注意が必要です(スマホ映像・監視カメラ映像なども可との理解です)。
          (詳細は38頁)

      • ⑤延期・中止リスト(10ステージ以上申請する予定の場合のみ)
        • 記入例・注意事項は39頁又は指定書式エクセルの記載例。

      • ⑥その他(該当者のみ)
        • ・申請資格保有合意書
          • 延期・中止した公演が共同出資(製作委員会を含む)によるものである場合に提出。申請資格の分配(一社に帰属することも含めて)を記載して提出することになります。
            (記入例・注意事項は40頁又は指定書式エクセルの記入例)
        • ・事前着手届出
          • 交付決定日までに発注し、または発注を予定している経費につき、事前着手届出を提出することで、補助対象経費に認めてもらえるよう申出可能。なお、実際に対象経費として認めてもらえるか否かは審査次第です。
            (記入例・注意事項は41頁又は指定書式ワードファイルの記入例)
        • ・動画配信関係理由書
          • やむを得ない事情により1年間の動画配信ができない場合、理由書および公演の映像の配信期間の制限があることが確認できる契約書を提出(契約書が外国語の場合は、関係する条項の日本語訳も提出)。
            (記入例・注意事項は42頁又は指定書式ワードファイルの記入例)
        • ・収録映像関係理由書
          • やむを得ない事情により公演の収録映像が配信動画の過半数にならない場合、理由書および公演の映像に制限があることが確認できる契約書を提出(契約書が外国語の場合は、関係する条項の日本語訳も提出)。
            (記入例・注意事項は43頁又は指定書式ワードファイルの記入例)

    • ▶︎3.審査・採択・交付決定(45~47頁に詳細)

      • 申請案件については、隔週金曜日(23時59分59秒)に応募が締切られ締切から2週間後の金曜日に、外部審査委員会による審査結果や、交付決定のメールが届きます。メール添付の「補助金交付決定通知書」には、補助対象経費や補助金額も記載(補助金交付決定通知書のサンプルについては46頁参照)。

    • ▶︎4.事業変更(48~49頁に詳細)

      • ▼2020年8月3日までの申請の場合
        • ・収支計画書に記載された補助対象経費を総額の10%以上増額しようとする場合、別途事業計画変更承認申請書を提出。
        • ・また、増額しようとする額が総額の10%未満の場合であって、
          • ①公演の内容が大きく変わる場合(主要な出演者の変更、演出等の大幅な変更等)、
            ②公演の態様が大きく変わる場合(動員人数の大幅な変更、無観客公演への変更等)、
            ③公演の会場が変わる場合、または
            ④公演の日時が変わる場合のいずれかに該当する場合にも、事業計画変更届出書を提出。
        • ・その他、交付決定後に事業を中止する場合は、間接補助事業事故報告書を提出。

      •  ▼2020年8月4日以降の申請の場合(2020年9月9日追記)
        • 要項改訂に伴い、2020年8月4日以降の申請の場合、収支計画書に記載された補助対象経費の総額を増額(10%以上でなくとも)しようとする場合、事業計画変更承認申請書の提出が必要になりますので、十分ご注意ください。

    • ▶︎5.確定検査(50~54頁に詳細)

      • 以下の書類および成果物の提出が必要となります。
        • 実績報告書(実施した事業結果をシステム入力)
          収支報告書(指定フォームに、支払先ごとに、費用種別・主な経費内容・支払額等を記載。収入がある場合は、併せて記載)
          証憑類(請求書や支払い証明(発注日の記載が必須)を支払先・費目ごとに整理して提出)
          公認会計士・税理士の確認証明書類(公認会計士または税理士によって確認されたことを証明する書類)
          成果物(動画配信 URL、公演実施状況撮影動画(感染症対策の実施確認)等)

(協力:骨董通り法律事務所)